Vortex86DX3で遊ぶ①
Vortex86は、RiseのmP6を始祖とするx86互換CPUです。
詳細はWikipediaさんの該当記事をご覧ください・・・。
んで、Wikipediaさんの記事ではEXやDXなどの古い記述しかありません。
現在ではEX2やDX3がリリースされておりまして地味ながらも進化しております。
という事で本家はこちら。
今回、Vortex86に手を出すきっかけになったのは、たまたまDX2が手に入っていたけど電源コネクタの問題で放置していたところにDX3の存在を知ってほしくなったというのが経緯であります。もちろん、本家のサイトを調べるとEX2もなかなか興味深く悩みました。
・Vortex86EX2
詳細は上記のリンクでたどれますが簡単に紹介します
- ツインCPU(デュアルではない)
- ツインBIOS
- メモリ分割可能
これは、2つのCPUが内蔵されておりそれぞれ別々に動作しつつメモリは分割できるとかそういう構成ができます。私自身にソフトウェアの開発能力がしっかり残っていればこちらを採用して遊んでいたと思うのですが、そんな知識は20年以上前にPC-98と共に置いてきてしまったのでこちらはパスしましたw
こちらは他のCPU同様の進化をした感じです(上記URLのFeaturesに詳細アリ)
- デュアルコア
- 6ステージのパイプライン
- PCI-Express
- DDR3メモリ(オンボード)
古いCPUをもとにデュアルコア化しているので興味を持ちました。あと。パイプラインも6段とのことでやたらと短い。これについてはこちらの記事でも触れられていますがこんなに短いパイプラインのCPUを触れてしかもデュアルコアと言うのは我慢できませんw。
また、DX2まではi586互換でDX3はi686互換だとの話も聞きまして、そこのところどうなんだろうという思いもあってこちらをチョイスしました。
という事で今回はEBOX-3362を手配しこれを使っていろいろ試していきます。
Samsung EVO Plus 32GB(MB-MC32GA/ECO)のレビュー
フラッシュメモリは東芝はもちろんのことながら、サムスンやハイニクス・・・と言うのは90年代を過ごした方たちの認識でしょう。各企業の努力により現在はそれぞれが素晴らしいブランドとして商品を展開されております。
今回はサムスンさんのEVO Plusの32GBなものでございます。
エコパッケージでちょっと薄型のケースにSDのアダプタと共に入っております。10年間の保証があり、85℃の環境でも動作するようですのでドライブレコーダーなどの用途にはうってつけのようです。
んが、私はその用途よりもOS起動領域としてHDDより良いスペックかどうかが気になりますので早速ベンチマークであります。
ベンチマーク結果
CrestakDiskMark 8.0.4のx64版で計測したところこのような値となりました。シーケンシャルリードは最大100MB/秒に届きませんが、これだけスピードが出れば十分であります。
気になるのは書き込みの部分でございます。
シーケンシャルライトは前回のキオクシアさんのものと比較すると若干速いですね。
特筆すべきは、ランダム4Kの書き込みが3.44MB/秒もありまして、キオクシアさんのそれより倍の数値が出ております。
という事は、OSをインストールしてもストレスの少ない環境になりそうな予感がします。
以下はタスクマネージャの平均応答時間も添えて確認します。
SEQ1MQ8T1(読み出し)
SEQ1MQ8T1の読みこみ時の平均応答時間はキオクシアさんのものと変わりません。
SEQ1MQ8T1(書き込み)
SEQ1MQ8T1の書き込み時の平均応答時間はキオクシアさんのもは7000ミリ秒近くありましたので、ほぼ倍の処理能力があるようです。
これは期待できます。
SEQ1MQ1T1(読み込み)
SEQ1MQ1T1の読みこみ時の平均応答時間はキオクシアさんのものと変わりません。
SEQ1MQ1T1(書き込み)
SEQ1MQ1T1の書き込み時の平均応答時間もキオクシアさんのものと変わりません。負荷が少ない場合はそんなに違いがあるわけではないという感じですね。
RND4KQ32T1(読み込み)
RND4KQ32T1の読みこみ時の平均応答時間はキオクシアさんのものより2msほど応答時間が短くなっています!これは凄い。
かつてSeagateさんが出していた7.2KのバラクーダATAの初代に平均シークタイム7msのものがあるのでそのくらいのランダムアクセス性能ですw
(7.2Kはだいたい平均シークタイムが9msなのでそれより速い)
RND4KQ32T1(書き込み)
RND4KQ32T1の書き込み時の平均応答時間もキオクシアさんより6000ms応答時間が短くなっています。待ち時間がその分短くなっているから次に進むことができるので当然と言えば当然ですが、OS起動用として使えるのではないかとの期待が膨らみます。
RND4KQ1T1(読み込み)
RND4KQ1T1の読みこみ時の平均応答時間はキオクシアさんのものより1msほど応答時間が短くなっています!これも凄いwww
RND4KQ1T1(書き込み)
RND4KQ1T1の書き込み時の平均応答時間もキオクシアさんより100msほど応答時間が短くなっています。これいいなぁw
・まとめ
コントローラの性能が高くなっているためか、こちらの製品はよりOSインストールに向いていると感じました。恐らく"そこそこ速いHDD"の代替品になるかと思います。お値段もお安くなっているので、少しの金額でこの性能の差と考えるとコスパの良い商品だと思います。
・最後に
アマゾンさんは在庫切れでありましたw
まぁ、より大容量のものにシフトしているのだと思います。
サムスンさんのより高性能なモデルを試してみたくなりました。
読み出し系の性能がちょっと悪かったのですが、タスクマネージャと共に計測をする(2回目のベンチマーク)から性能が向上しました。
何が起きているかわかりませんが、最初は「なんかおせーな」と言う状況でございました。
KIOXIA EXCERIA microSDXC 64GB のレビュー
ストレージ製品の読み書きには、単一の巨大なファイルにアクセスするシーケンシャルアクセスと、小さく多数存在するファイルにランダムにアクセスするランダムアクセスの2通りがあります。
SSD全盛の昨今ではあまりこれを意識することがなくなってきましたが、低速なストレージではまだまだ意識したほうが良い物でもあります。
という事で、単価も安く手軽に使用できるmicroSDはこのあたりの性能がモロに出るものが多く、妙に遅いとかいろいろあるわけです。
私は小型PCのストレージとしてmicroSDをよく使用しますので、ほとんど放置していたこのブログをmicroSDレビューサイトにでもしてやろうかと思うに至りました。
経緯としては・・・
- hpのwyse3040にストレージを追加したくなった
- M.2のEキースロットがある
- M.2のA、EキーのmicroSD変換基板でいけるんじゃね?
- wyse3040で③は使用できず
このようなよくわからん経緯で、事前にランダムアクセス性能の高そうなmicroSDを買っていたが余ってしまった・・・と言うわけでございます。
トップバッターはこの子
タイトルにも掲出しておりますが、キオクシアさんのEXCERIAブランドの64GBでございます。64GBにした理由は「うまくいけばWindows11のインストールもできる」と考えたからでございますが・・・まぁ、そのうちそうするかもしれませんし、ドラレコ行きになるかもしれません。
購入したのは大阪日本橋の某ショップでありまして、海外版でございました。
裏面にはいろいろ書いてありますがピックアップすると・・・
- 容量は57.6GB
- 読み取りスピードは最大100MB/秒
- IPX7クラスの防水
IPX7クラスの防水とはなんぞや?という事で一次情報源を調べたところ、JIS C 0920に定義があるそうです。(登録しないと見えないみたいですが、ぐぐるといろいろ出てくるのでそっちをどうぞ)
調べたところ「1mの真水タンクに30分水没させても動作する」とのことなので、スマホに取り付けててうっかりボチャンとどこかに落としても・・・真水なら安心ですね。
手に取ってみると感触はmicroSDそのものですので写真は割愛し、テストにまいります。
私が用意したテスト環境は、Realtek社のRTL8411Bでございまして、PCI-Express直結のギガビットイーサ + SDコントローラというコンボな変態環境です。
USB3.0もPCI-Expressのまんまなのでそれでも良いとは思うのですが、そんなもの手元にありませんので、この変態カードリーダーで参ります。
(ClevoさんのW230ST内蔵のSDカードスロットなだけですw)
ベンチマーク結果
CrestakDiskMark 8.0.4のx64版で計測したところこのような値となりました。
パッチケージに書いてある文字としては嘘は言っていないのでこんなもんでしょう。
おかしいな、ランダム4Kが良いはずなのになんだこれはw
という事で、これじゃ満足しませんので、計測中のタスクマネージャから見えるもので見ていきます。
CrestakDiskMark 8.0.4の設定はデフォルト値のまま。
最初のテストはSEQ1MQ8T1ですから、1MBのシーケンシャルアクセスキューは8でスレッド1個。8多重で読み出しをかけていると理解したらよいのですかな?
その時のタスクマネージャにCrestakDiskMarkをかぶせたのが以下の画像。
タスクマネージャとベンチマークツールでほぼ同じ数字なのは置いといて、ここでは平均応答時間な着目します。45.7msですから結構な負荷がかかっております。
HDDで例えると、平均シークタイム40msの古いSASIのHDDみたいなもんと思えばよいでしょう。
続いては、SEQ1MQ1T1での画面。こちらはキューが1でございますので多重アクセスはしていないと思われます。(ほんとか?知らんけど)
その時の画像はこれ・・・すみません、その時のものが撮れてなかったのでそこだけ再計測中の画面です。
平均応答時間は5.7msとなっておりましてそこそこ良い値です。HDDに例えると1万回転クラスのHDDの応答であります。すばらしい。
続いてはRND4KQ32T1であります。
OS等を入れる場合、小さなファイルを多数読み出しますから、この計測値はOSインストール用として使えるかどうかを判断するのに役立つと考えております。
その時の画面はこちら。
4KBのファイルをランダムで読み出すもので7MB/秒も出ております。素晴らしい。
平均応答時間は9.3msですので、HDD換算だと7200回転のHDDが平均シークタイム9msと言ったところ。ちょっと反応悪いなと感じるくらいですね。
読み出し系の最後はRND4KQ1T1であります。
キューが1個ですのでこんなのは屁のカッパでしょう・・・という事でその時の画面がこれ。(こっちも撮れてなかったので撮りなおしorz)
素晴らしい。平均応答時間が0.3msであります。1万5千回転のHDDでも3msはあるのでぶっちぎりであります。フラッシュメモリとしての応答スピードが出てますね。
さて、次は書き込み勢です。
フラッシュメモリの苦手とする書き込みですがどうるか・・・
SEQ1MQ8T1の画面がこちらです。
「恐れていたことが・・・」と言いたくなる絵であります。背景のグラフを見るとギザギザでありまして、書き込みに時間がかかるがそれが一気に解消するときがやってきては負荷が高まるというような動きをしています。最も負荷の高いときで7000ms(7秒)とかありますので、一気に書き込むと猛烈に遅くなります。フラッシュメモリらしい結果であります。
では、負荷の小さなSEQ1MQ1T1はというとこれです。
平均応答時間は500msと減りました。背景のグラフの傾向もデコボコなので傾向は変わりませんが「0.5秒ほどの待ち時間がある時がある」という感じです。ゲーム機やデジカメなどでは全く気にならないでしょう。
お次は個人的に注目していたRND4KQ32T1です。
すさまじいですなw
平均応答時間が2万2千ms(約20秒)だそうです。猛烈な負荷がかかっておりますので仕方のないところ。それでも1.59MB/秒のスループットは優秀であります。
(ネットで検索するとここが6~7のものがあって・・・ワシのなんだこれ?)
負荷の少ないRND4KQ1T1はこちら。
こちらも約550msくらいの待ちが出ておりました。
・まとめ
自分が手にした製品はランダムアクセスがそこそこ良い(他は0.5MB/秒とかある)ものであると認識しました。それでも、猛烈な負荷がかかると20秒近い待ちが発生するので、OSをインストール取るなどには不向きのように思えます。
とは言え、非常に安価に購入できましたので価格性能比は良いのではないかと思います。
・私が比較対象としてるHDD(WD5000LPLX)の数値
最も負荷の高いRND4KQ32T1は7200回転のHDDでこのような結果でした。
平均応答時間も1万6千msでしたが、7200回転のHDDでこのスループットはめったにないので、LMEX1L064GG4はIO負荷が高いときは高速な7200回転のHDDくらいになると考えるとよさそうです。
・最後に
アマゾンさんを見たら"国内版"がやたらと高い値段・・・なんだこれw
で売られていました。
ここに並んでいるレビューはランダム4Kの値が良いので、もしかしたら・・・という希望があります。1個900円割ったら買ってまたレポします。
空っぽのPC-HD130UにHDDを突っ込む
PC-HD130Uは、1990年10月29日発売の130MBの外付けHDDです。
サイズは5.25インチフルハイトのHDD(今で言うとデスクトップ用のBDドライブ2個重ねたサイズ)を内蔵している巨大な外付けHDDですが、これのガワが手に入ったので、1.3GB程度の3.5インチHDDを内蔵して「10倍になった!」とか、150GBのUltra320なHDDを内蔵させて「1000倍になった!!」とか遊ぶことにしました。
んが、その前に自宅に転がっている5.25インチのモーターの回転しないHDDを試しに動かしてみようと接続して電源を入れたところ動いてしまったので、5.25インチなHDDを突っ込んで復活させることにしました。
ケースの内部は上の写真のようになっており、電源が上にありHDDはその下という配置です。手元にある筐体は1993年のものですが、しっかりした作りで1台30万円近くしたのもうなづけます。
手前右側の灰色と茶色のケーブルは電源でフロントパネルのスイッチに接続されています。左側の白と灰色のケーブルは電源LEDです。左奥に見える茶色とオレンジと黒と赤のケーブルはSCSIのID用のケーブルで、灰色と白のケーブルはHDDアクセスLEDのケーブルです。
スイッチにそのまま接続されているだけなので特に変わったところはありません。
こちら側は左手前の茶色と灰色がAC電源、真ん中の赤と青が排気ファン、右側の赤とオレンジと黒のゴッツいケーブルがHDD用の電源となります。
リアパネルはこんな感じで8cmのファンとSCSIコネクタとケーブル(灰色と緑のケーブルの束)があります。
向かって左側がリアで右側がフロントとなります。かなりゆったりした感じではありますが、後述するHDDがデカすぎてこれでもかなり狭いです。
5.25インチのHDDがいかに大きいかが分かると思います。正直こんなにコンパクトな筐体とはおもいもしませんでしたorz
SeagateのST42400NDはElite2と呼ばれるブランドのHDDです。このシリーズは最大で47GBまでの製品が発売されたそうですが、アイドル時に30Wもの電気を消費することと、重量が3.6kgもあるので本当に必要な人が買うようなものだったのかもしれません。マニュアルはSeagate社のFTPサーバーにありました。これによると、ディスク11枚、ヘッド19個、5400回転で平均シークタイムは11msのようです。
制御基板には、オンボードのアクセスLEDと外部用のコネクタがちゃんと用意されています。↓
PC-HD130Uの筐体には、緑色の電源LEDと赤色のアクセスLEDがあります。HDDとこのアクセスLEDをつながないと筐体のランプが点滅しないのでケーブルを作ります。
PC-9821As/u2の内蔵電池のコネクタが一致するものだったので切り離し、接続できるようにしました。
これで準備が整ったのでHDDを筐体に押し込みます。
かなり巨大であることと、3.6kgの重量で難儀しますがなんとか入れることはできました。ただ、アース用のネジがHDD本体に干渉してしまうので、ネジを取り外してHDDの金具で挟み込むようにしました。もうちょっと良い取り付け方法があればいいのですが、オリジナルのHDDとは違うものを入れているのでこんなもんでしょう。
筐体にHDDを入れることは可能ですが、コネクタ類がファンとぶつかってしまいます。特にHDDの電源コネクタはそのままではどうにもならないので、L字型のコネクタで接続できるケーブルが必要となりました。薄型のファンに交換したほうが良いか?と思ったのですが、30Wもの電気を消費するHDDなので15mm厚は変えずに対応しようと思いました。(より回転数の高いものに交換したい)
すべての接続を確認して問題がなければ電源を入れたら完了です。
元気にモーターが回り、赤色のLEDがまぶしく光るでしょう。
これで完成!と言いたいところですが、SCSIのIDの部分はまだ未取り付けです。
手持ちのコネクタよりもピッチの狭いピンなので変換が必要。ということで、この辺りはまた日本橋に買い出しに行ったからであります。
とりあえずガワだけだったPC-HD130Uが2.4GBの外付けHDDとなって復活できました。正月に実家に持って帰って、ここにOSを入れたりして遊ぼうと思います。
以上