KIOXIA EXCERIA microSDXC 64GB のレビュー

ストレージ製品の読み書きには、単一の巨大なファイルにアクセスするシーケンシャルアクセスと、小さく多数存在するファイルにランダムにアクセスするランダムアクセスの2通りがあります。

SSD全盛の昨今ではあまりこれを意識することがなくなってきましたが、低速なストレージではまだまだ意識したほうが良い物でもあります。

という事で、単価も安く手軽に使用できるmicroSDはこのあたりの性能がモロに出るものが多く、妙に遅いとかいろいろあるわけです。

私は小型PCのストレージとしてmicroSDをよく使用しますので、ほとんど放置していたこのブログをmicroSDレビューサイトにでもしてやろうかと思うに至りました。

 

経緯としては・・・

  1. hpのwyse3040にストレージを追加したくなった
  2. M.2のEキースロットがある
  3. M.2のA、EキーのmicroSD変換基板でいけるんじゃね?
  4. wyse3040で③は使用できず

このようなよくわからん経緯で、事前にランダムアクセス性能の高そうなmicroSDを買っていたが余ってしまった・・・と言うわけでございます。

 

トップバッターはこの子

タイトルにも掲出しておりますが、キオクシアさんのEXCERIAブランドの64GBでございます。64GBにした理由は「うまくいけばWindows11のインストールもできる」と考えたからでございますが・・・まぁ、そのうちそうするかもしれませんし、ドラレコ行きになるかもしれません。

購入したのは大阪日本橋の某ショップでありまして、海外版でございました。

裏面にはいろいろ書いてありますがピックアップすると・・・

  • 容量は57.6GB
  • 読み取りスピードは最大100MB/秒
  • IPX7クラスの防水

IPX7クラスの防水とはなんぞや?という事で一次情報源を調べたところ、JIS C 0920に定義があるそうです。(登録しないと見えないみたいですが、ぐぐるといろいろ出てくるのでそっちをどうぞ)
調べたところ「1mの真水タンクに30分水没させても動作する」とのことなので、スマホに取り付けててうっかりボチャンとどこかに落としても・・・真水なら安心ですね。


手に取ってみると感触はmicroSDそのものですので写真は割愛し、テストにまいります。

私が用意したテスト環境は、Realtek社のRTL8411Bでございまして、PCI-Express直結のギガビットイーサ + SDコントローラというコンボな変態環境です。
USB3.0PCI-Expressのまんまなのでそれでも良いとは思うのですが、そんなもの手元にありませんので、この変態カードリーダーで参ります。
(ClevoさんのW230ST内蔵のSDカードスロットなだけですw)

 

ベンチマーク結果

CrestakDiskMark 8.0.4のx64版で計測したところこのような値となりました。
パッチケージに書いてある文字としては嘘は言っていないのでこんなもんでしょう。
おかしいな、ランダム4Kが良いはずなのになんだこれはw

という事で、これじゃ満足しませんので、計測中のタスクマネージャから見えるもので見ていきます。

 

CrestakDiskMark 8.0.4の設定はデフォルト値のまま。
最初のテストはSEQ1MQ8T1ですから、1MBのシーケンシャルアクセスキューは8でスレッド1個。8多重で読み出しをかけていると理解したらよいのですかな?
その時のタスクマネージャにCrestakDiskMarkをかぶせたのが以下の画像。

タスクマネージャとベンチマークツールでほぼ同じ数字なのは置いといて、ここでは平均応答時間な着目します。45.7msですから結構な負荷がかかっております。
HDDで例えると、平均シークタイム40msの古いSASIのHDDみたいなもんと思えばよいでしょう。

 

続いては、SEQ1MQ1T1での画面。こちらはキューが1でございますので多重アクセスはしていないと思われます。(ほんとか?知らんけど)
その時の画像はこれ・・・すみません、その時のものが撮れてなかったのでそこだけ再計測中の画面です。

平均応答時間は5.7msとなっておりましてそこそこ良い値です。HDDに例えると1万回転クラスのHDDの応答であります。すばらしい。

 

続いてはRND4KQ32T1であります。

OS等を入れる場合、小さなファイルを多数読み出しますから、この計測値はOSインストール用として使えるかどうかを判断するのに役立つと考えております。

その時の画面はこちら。

4KBのファイルをランダムで読み出すもので7MB/秒も出ております。素晴らしい。
平均応答時間は9.3msですので、HDD換算だと7200回転のHDDが平均シークタイム9msと言ったところ。ちょっと反応悪いなと感じるくらいですね。

 

読み出し系の最後はRND4KQ1T1であります。
キューが1個ですのでこんなのは屁のカッパでしょう・・・という事でその時の画面がこれ。(こっちも撮れてなかったので撮りなおしorz)

素晴らしい。平均応答時間が0.3msであります。1万5千回転のHDDでも3msはあるのでぶっちぎりであります。フラッシュメモリとしての応答スピードが出てますね。

 

 

さて、次は書き込み勢です。
フラッシュメモリの苦手とする書き込みですがどうるか・・・
SEQ1MQ8T1の画面がこちらです。

「恐れていたことが・・・」と言いたくなる絵であります。背景のグラフを見るとギザギザでありまして、書き込みに時間がかかるがそれが一気に解消するときがやってきては負荷が高まるというような動きをしています。最も負荷の高いときで7000ms(7秒)とかありますので、一気に書き込むと猛烈に遅くなります。フラッシュメモリらしい結果であります。

 

では、負荷の小さなSEQ1MQ1T1はというとこれです。

平均応答時間は500msと減りました。背景のグラフの傾向もデコボコなので傾向は変わりませんが「0.5秒ほどの待ち時間がある時がある」という感じです。ゲーム機やデジカメなどでは全く気にならないでしょう。

お次は個人的に注目していたRND4KQ32T1です。

すさまじいですなw
平均応答時間が2万2千ms(約20秒)だそうです。猛烈な負荷がかかっておりますので仕方のないところ。それでも1.59MB/秒のスループットは優秀であります。
(ネットで検索するとここが6~7のものがあって・・・ワシのなんだこれ?)

負荷の少ないRND4KQ1T1はこちら。

こちらも約550msくらいの待ちが出ておりました。

・まとめ
自分が手にした製品はランダムアクセスがそこそこ良い(他は0.5MB/秒とかある)ものであると認識しました。それでも、猛烈な負荷がかかると20秒近い待ちが発生するので、OSをインストール取るなどには不向きのように思えます。
とは言え、非常に安価に購入できましたので価格性能比は良いのではないかと思います。

 

・私が比較対象としてるHDD(WD5000LPLX)の数値

最も負荷の高いRND4KQ32T1は7200回転のHDDでこのような結果でした。

平均応答時間も1万6千msでしたが、7200回転のHDDでこのスループットはめったにないので、LMEX1L064GG4はIO負荷が高いときは高速な7200回転のHDDくらいになると考えるとよさそうです。

・最後に

アマゾンさんを見たら"国内版"がやたらと高い値段・・・なんだこれw
で売られていました。

www.amazon.co.jp

ここに並んでいるレビューはランダム4Kの値が良いので、もしかしたら・・・という希望があります。1個900円割ったら買ってまたレポします。